法律・規制

ドローンが人口集中地区で受ける制限と必要な申請をわかりやすく解説

助手

ドローンを人口密集地で飛ばすことは禁止されてるって…。
でも、人口密集地というぐらいだから、都心だけのことだよね?

あなたもそんな風に思っていませんか?
実は、ドローン飛行が制限されている人口集中地区は、意外と身近に存在しているのです。

それなら、人口密集地としてドローン飛行が制限されてしまう人口集中地区について、しっかりと知っておきたい。でも、なかなかまとまった情報が無いし、ググって見つけた個人ブログの記事は情報が古いみたい…。

ドローンを始めた人にありがちな悩みですよね。かくいう私も、同じような悩みを持っていました…。

人口密集地では、ドローンの飛行にどのような制限があるの?

人口集中地区として制限を受ける場所の調べ方は?

ドローンを人口集中地区で飛ばすにはどうすればよいの?

この記事は、ドローンを人口密集地で飛ばす場合に制限があるのかという疑問を持っているあなたのために書かれています。

なぜなら、ドローン初心者の頃に私も同じような疑問や悩みを持ち、色々と調べた結果として、現在ドローンパイロットとしてここにいるから。

問題となっている人口密集地(正確には「人口集中地区」)でのドローンの飛行については、「無人航空機の一般的な飛行ルール(国土交通省)」をじっくりと読み込めば全て書かれています。
そして、書かれていないことで疑問に思うことがあれば、「無人航空機ヘルプデスク」に電話で問い合わせればOK。

でも、お役所がらみのページは、回りくどくて欲しい情報がすんなりと頭に入ってこない。
かといって電話で問い合わせるのは…。
そんな悩みを持っているのはあなただけではありません。

ドローンの飛行が制限される、人口集中地区とは何なのか?

人や物への落下による事故の可能性が高いため、航空法第132条第1項第2号及び航空法施行規則第236条の2により、人家の密集している地域ではドローンの飛行が制限されています。
この制限を受ける地域は、総務省統計局によって「人口集中地区(DID地区)」と設定されています。

人口集中地区(DID地区)の設定基準は、下記の2点を満たしていることが基準。

  • 人口密度が4000人/平方キロメートル以上の基本単位区(国勢調査の最小地域単位)が隣接していること
  • それら隣接した地域の人口が、国勢調査当時5000人以上であること

この指定を受ける地域は、地理院地図(国土地理院)でチェック可能。
人口集中地区(DID地区)に設定されている部分は赤く着色されているため、ドローンを飛ばしたいと思う場所を拡大して確認してみましょう。

人口集中地区(DID地区)の表示色 地理院地図より
地理院地図(国土地理院)より

上図は、地理院地図で神奈川県三崎漁港付近を拡大したものです。
画像中、赤い色で着色されている部分が人口集中地区。
着色されていない部分が、人口集中地区に関する規制を受けない地域となります。

人口集中地区による制限は、ドローンを飛行させる土地の所有者が誰なのかには無関係。
そのため、自分の家の庭だったとしても、人口集中地区内であれば、無許可でドローンを飛ばすことはできません。

もちろん、屋内は航空法の規制対象外となりますので、人口集中地区内であっても、民家や体育館などの中なら無許可で飛行可能です。
また、屋外であっても、ドローンなどの無人航空機が外に出ないよう、ゴルフネットのようなもので四方や上部が囲われている場合は屋内とみなされ、規制の対象外となります。

このD.I.D地区は、5年ごとに実施される国勢調査の結果をもとに設定。
土地利用の状況によっては、人口集中地区の設定範囲が拡大する可能性もあります。
そのため、過去に人口集中地区ではないことを確認した場所で飛行させる場合でも、飛行の都度再チェックするようにしましょう。

ドローンを飛ばしたい場所が人口集中地区かどうかを調べる方法

人家の密集している人口集中地区(DID地区)を調べる一般的な方法は、「地理院地図」をチェックすること。
こちらの地図では、併せて空港等の周辺の空域について調べることが可能。

地理院地図(国土交通省)

左上の検索窓に住所を入れれば、調べたい地域が拡大表示されます。

人口集中地区(DID地区)リンク先のウインドウ 地理院地図より
地理院地図(国土地理院)

PCでチェックするなら地理院地図がベストですが、スマホで簡単に人口集中地区(DID地区)かどうかを調べたいなら、下記2種類のアプリがおすすめ。

ドローンフライトナビ - 飛行制限確認地図

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ドローン飛行チェック

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iPadやiPhoneでしか使えませんが、ドローンフライトナビなら、人口集中地区だけでなく、航空法および小型無人機等飛行禁止法にもとづく飛行禁止エリアを全て表示可能。

アンドロイド向けのアプリならドローン飛行チェック。
こちらも人口集中地区だけでなく、空港等の周辺も含む航空法で規制されるエリアを確認することができます。

人口密集地区でのドローン飛行に必要な許可を得る方法

ドローンを飛ばしたいと思って調べた場所は、人家の密集している人口集中地区だった…。
残念、ドローンを飛ばせない。

そんなことはありません。
たとえ人口集中地区だったとしても、国土交通大臣の許可を得ることで、ドローン等の無人航空機を飛ばすことができます。

ドローン等無人航空機の飛行許可申請手続

手続き方法は、インターネットを利用したオンライン申請、郵送及び持参の3つの方法があります。

どの方法で申請する場合でも、少なくとも飛行予定日の10開庁日前までに申請書類の提出を行うことが必要。
書類不備の場合は審査に時間がかかる可能性が高いため、飛行予定日が決まったら、できる限り早めに申請するのが安心です。

オンラインでの無人航空機飛行許可申請(DIPS)

オンライン申請は、下記サイトから申請を行います。

ドローン情報基盤システム DIPS(国土交通省)

申請内容が自動的にチェックされるので、はじめてでも迷わず簡単に申請書の作成が可能。
2回目以降の申請では、過去に許可・承認を受けた申請書を再利用することもできるので、より手軽に申請できてしまいます。

24時間365日いつでも手続き可能ですが、実際の審査は開庁日に行われるため、他の申請方法と同様に、飛行予定日の10開庁日前までの申請には変わりがないので要注意。

郵送による無人航空機飛行許可申請

郵送の場合には、下記リンク先の書類を作成のうえ、東京航空局か大阪航空局に郵送。
許可証等の郵送のため、基本料金相当の切手を貼った返信用封筒の同封を忘れずに。

東京航空局の管轄は新潟県・長野県・静岡県以東、大阪航空局の管轄は富山県・岐阜県・愛知県以西となっています。

書式

無人航空機の飛行に関する許可・承認申請書(様式)

申請書の作成要領及びチェックリスト

申請窓口

<東京航空局(新潟県・長野県・静岡県以東)>
〒102-0074
東京都千代田区九段南 1-1-15 九段第 2 合同庁舎
東京航空局保安部運用課 無人航空機審査担当あて

<大阪航空局(富山県・岐阜県・愛知県以西)>
〒540-8559
大阪府大阪市中央区大手前 4-1-76 大阪合同庁舎第4号館
大阪航空局保安部運用課 無人航空機審査担当あて

なお、航空局で準備している書式はWord形式のみ。
Wordの入っていないPCを使用している場合は、潔くオンライン申請にすることをおすすめします。

それでも、やっぱり紙ベースで申請を行いたいのであれば、上記リンク先申請書と同様の記載事項及び様式で独自に作成すればOK。
上記申請書をPagesなどの代替ソフトで開いて作成してください。